離島医療の充実は、古くから現代に至るまで大きな課題として取り上げられてきた。病院はおろか診療所すら一つもない離島は多く、医師や看護師が一人も住んでいないというケースすら稀ではない。そのような離島でも病気が起こるのは当然であり、都市部と同レベルでの診断や治療を行えるように努力が重ねられてきているのが現状である。
この課題に対して看護師が寄与できる範囲は広く、だんだんと担い手も増えてきた。最も現地の人にとって助けになるのが現地を訪問することであり、定期的に医師と看護師を派遣する取り組みが行われている地域もある。また、病院や診療所がある離島の場合にはそこに一人でも看護師がいるだけで大きな助けになることが多く、離島ナースとして働く看護師も渇望されている。
一方で、病院などが全くない離島では情報システムを利用した通信による医療も実施されるようになってきた。大規模な病院を中心として行われている試みであり、定期的な問診を情報システムを通じて行ったり、救急が必要とされるような事態に備えて情報システムを利用できるようにしたりする動きがある。
この看護師は医師と並んで指導を行う立場として活躍している。離島での医療の実現は依然として大きな課題ではあるものの、様々な形で看護師が貢献できるようになってきているのが現状だ。道が開かれてきたことに着目して気概の高い看護師が活躍するようになり、徐々にではあるが解決へと向かっている最中である。