サービスを第一とする傾向が強い世の中になったことを受けて、医療現場でも常に最高レベルのサービスを提供することが望まれるようになった。その影響を受けて、サービスにわずかな不満があるだけで苦情を告げられるケースは増えている。
しかし、より切実な問題となっているのがモンスターペイシェントであり、理不尽な理由からクレームを告げられて対処に困るケースが多い。看護師はその被害を最も受けやすいのが実情であり、患者やその家族とよく話をする立場だからこそクレームを告げられてしまいがちになっている。暴力に発展することもしばしばあるものの、手を上げて対抗できないのが看護師の立場だろう。
その対応に困り果てていた時期は長かったものの、徐々に改善の方向に進みつつあるのが現状である。円満な解決を実現することは依然として大きな課題だが、少なくとも貴重な看護師の人材を守らなければならないという考え方から病院側からの対応が進んできた。医療現場に専門の警備員を設置してモンスターペイシェントに対応してもらうことで看護師を守るようになっているのである。
海外で同様の状況が先に起こっていたことを受けて、それを真似ての対応であるものの、少なくとも医療現場の看護師に安心が生まれたのはこの対応による恩恵に他ならない。モンスター化を未然に防いでいくのが最も大きな課題ではあるものの、社会的にサービス第一という傾向が強まっているために解決が困難なのが現状である。